セルパン購入事情2015

セルパン通信
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時折セルパンの購入方法について尋ねられることがあるので、一度まとめてみます。
まずセルパンを手に入れる場合、オリジナルとコピーのどちらかという選択肢があります。オリジナルと言うのは19世紀当時に使用されていたもので、海外の古楽器商や、時折ネットオークションで出てくることがあります。セルパンは16世紀終わりくらいから使われている楽器ですが、オリジナルとして出てくる楽器はほぼ19世紀のものです。一時期はよく見かけたのですが、最近は少しずつ減ってきている模様。材質が木ですので、状態によってはリストアに手間と費用が(とても)かかる場合があります。
一方コピーと言うのは楽器博物館に所蔵されているような楽器からサイズを測って、現在の工房で同じ製法で再現したもの。セルパンを制作していると思われる工房は以下の幾つかのものが見られます。思われる、というのはネット上で注文が可能な状態にあるということで、実際には問い合わせが必要です。価格もネット上に掲載されているものを参考にしていますので、これに諸手数料や税金がかかることをご承知ください。また、ネット注文の場合当然ながら試奏をすることが出来ないというデメリットもあります。日本円表示は2015年7月のものです。

クリストファー・モンク Christopher Monk Instruments
イギリスの老舗。テナーからアナコンダ(凄くでっかい奴)までカタログに載っています。メインのモデルは2560ポンド(およそ50万円)。古くからあるメーカーで、一時期はここのコピーか、さもなければオリジナルという状況でした。(追記)日本ではギタルラ社が輸入取扱しています。サイトのコルネットのページの下段にサーペント(バスC)とあり、価格は2016年1月現在で¥516,000 (本体価格)+税となっています。

ダヴィッド・ハーディング David Harding
イギリス。レジン製のコピー。The Early Music Shop (EMS)という、ネット上の古楽器販売サイトから注文が可能。1250ポンド(およそ25万円)と木製のものに比べてややお手軽な値段。

ステファン・ベルジェ Stephan Berger
スイスの新進のメーカー。木製のものとカーボンのものを扱っている。木製のものが 5500スイスフラン(およそ72万円)、カーボンのものが2400スイスフラン(31万円) 。セルパンの管の中の湿度を調整する乾燥機など、アクセサリーも充実。

ピエール・リボ Pierre Ribo
ベルギーの新進メーカー。最近はベルジェとリボのユーザーが多いように思う。木製のものを扱っている。サイトには製品の情報はあまりないが、コンタクトを取るとカタログをメールで送ってくれる。現在ネロ楽器さんで試奏が出来るのはここのモデル(追記:2015年11月で試奏は終了しました)。

カイザー・サーペント The Kaiser Serpents
アメリカ。ファイバーグラスのセルパンを制作している。本体価格830ドル(凡そ10万円)と既存のコピーの中で破格の安さ。しかしながらサイトの情報によると、最近は制作のペースが鈍化している模様。

ご質問はコンタクトからどうぞ。

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