カテゴリー別アーカイブ: セルパン通信

05/03 東京セルパン・トリオ@LFJ

セルパンが古楽器として顧みられたのはざっくり言って第二次大戦後ですが、その先駆けとなったのはビルダーとしても知られるクリストファー・モンク Christopher Monkでした。彼とアラン・ラムゼン Alan Lumsden、アンドリュー・ヴァン・デル・ビーク Andrew van der Beekの三人によって結成されたロンドン・セルパン・トリオによる始めての演奏は1976年に遡るそうです。それから40年後、このロンドン・セルパン・トリオにあやかって、東京セルパン・トリオと銘打ってラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポンに参加します。
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03/06 Un tentetivo終了

03/06 Un tentetivo ご来場くださいました皆さまどうもありがとうございました。うた、サックス、アコーディオン、セルパンという組み合わせは中々に相互補完的で面白い編成だと思います。また早速第二回が6/18に決定。皆様のお越しをお待ち申し上げております。
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今回のセットリストはこちら。
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02/27 セルパンワークショップ@エリザベト音楽大学

月末に急遽広島でセルパンのワークショップを開催させていただくことになりました。楽器の構造や歴史、用法などをお話ししてデモ演奏、参加者の皆さんにも楽器を試奏していただく時間を可能な限り設ける予定です(楽器と写メも可)。

エリザベト音楽大学特別公開講座
「フランスの古楽器セルパン」
2016年2月27日(土曜日)
16:00〜18:00(開場15:45)
エリザベト音楽大学 224号教室
参加はどなたでも可能です。
入場無料
当日はセルパンを試奏できます。

03/06 ある試み

さて、ちょっと変わったある試みです。歌の辻康介さん、サックスの鈴木広志さん、アコーディオン&ピアノの大口俊輔さんといった名手に交じってセルパンを吹くライヴ。

03月06日(日)15時開演(14時30分開場) Un tentetivo (ある試み)
辻康介(歌)、鈴木広志(サックス)、大口俊輔(アコーディオン&ピアノ)、橋本晋哉(セルパン)

@Li-Po(JR渋谷駅東口徒歩3分・新南口徒歩1分:渋谷区渋谷3-22-11サンクスプライムビル4F-A, 03-6661-2200)
定員30名
予約2500円(当日3000円)+オーダー(各種飲み物と軽食など)

ご予約・お問い合わせはコンタクト、または
Li-Po(リポ)
info@li-po.jp 03-6661-2200(平日18:00~24:00)

主な曲目
星めぐりの歌(宮沢賢治)
スーパーマン(谷川俊太郎・辻康介)
空飛ぶ絨毯 o tappeto(R.カロゾーネ・辻康介)
飼育係(谷川俊太郎・鈴木広志)
ベッラ・チャオ(イタリア民謡)
きれいなねぇちゃんよ Damigella tutta bella
月の出の唄(野口雨情・中山晋平)

01/16 「ぶらり途中下車の旅」出演

だいぶ前になりましたが、テレビ番組「ぶらり途中下車の旅」に上尾市の名物(?)として出演していました。
フランスの古楽器「セルパン」http://www.ntv.co.jp/burari/contents/detail_2682894.html
上記リンクでは、収録前にスタッフさんといろいろ話したことを纏めて下さっているのですが、色々と纏まり過ぎてちょっと誤解を招きそうなものもあるので、こちらで補足を。
1.セルパンは最終的にチューバなどの金管楽器に置き換わっていったのですが、19世紀半ばはセルパン、オフィクレイド、チューバは同時に存在していていわば「乱世」だったといった方が良いと思います。プレイヤーによっては持ち替えていった人もいたでしょうし、其の儘頑固にセルパン(それも、蛇型、縦型様々)を吹いていた人もいたでしょうし、最初からチューバの人もいた、という感じで、また国や地域の差もかなりあったと考えてよいでしょう。
2.セルパンを購入した「領収書」とありますが、お話ししたのはセルパン奏者に教会から支払われた「給与明細」のこと。これは結構資料として残っているようです。
3.もともと「シ」の音のフィンガリングが無い、ということはかなり衝撃を受けられたようで、特にそこの部分に興味を持っていただいたのですが、楽器がこのように蛇型になっていた過程と、フィンガリング上「シ」が無い、ということには特に深い因果関係は無いと思います。寧ろ頻繁に使うようであれば必ず何らかの処置をしていたでしょうから、最終的に落ち着いたこの指孔の位置で、どのように使われていたのかは、現時点では謎のままですが、色々と研究が進んでいくのではないかと思います。

いずれにせよ、ご覧下さったみなさんがこの楽器に興味を持っていただくきっかけになったとしたらありがたい限りです。

新しいセルパン、その後

新しいセルパンが手元に届いてほぼ一か月、本番は一つこなしましたがやっと少し慣れてきて判ってきたこともあるのでメモ。

1.吹きやすい!
なんだか当たり前のことを書いていますが、前のセルパンに比べて、問題のある音程の時に奏法を変えて調整しなければならないところが少なく、同じような吹き方で音程間を行き来できるのは大きいです。オクターブ間でズレが少ないのも特徴。これは楽器もそうですが、幾つか試した中のマウスピースの一つがフィットしているところもあります。

2.キーの長所、短所
今回Bナチュラル、F#、C#の3つのキーを付けてもらったのですが、結論から言ってとっても便利。特にそれぞれの音を単体で長く伸ばす時にはかなり安定します。一方いくつかの音は音のツボらしき位置が複数あったりして、正しい音程にはめるのにまだ慣れないところも。
3つのキーが加わることで指使い的には複雑になる部分もあり、前後の関係によっては6穴のセルパンと同じく、ベンディングや穴のあけ方で音程を調節したほうが容易い局面もあります。例えば、ドシドシドシラシドとフレーズが終わるような場合、指孔123456全部→Hキーのみを交互に行うよりも、全部押さえた状態でベンディングを使ったほうがはるかに容易、というかそれしかできなさそうな場合が挙げられます。
また、キーの位置が必ずしも僕の手にあっているというわけでもないので、このあたりの調整はもう少し時間がかかりそう。
セルパンの歴史についてかかれたものに、「キーが多くつけられることによって、そのキーに頼る奏者が多くなり、正しい音程が奏されない」という記述をみることがあるのですが、まさしくまずは6穴のシンプルなセルパンを演奏する技術を培ったのちに、キーは真価を発揮するように思います。フィンガリングで新旧どちらを使うべきか見極めるにはもう少し時間がかかりそうです。

しかし知らないうちにマウスピースが増殖している……。

少しずつ慣れてきている楽器ですが、来週セルパンを使う演奏会があるのでご案内を。古楽器と邦楽器による混合アンサンブル「アンサンブル室町」の公演です。アンサンブル曲3曲に乗っています。アンサンブルの中でのセルパンの音の通り方も、前回に比べて幾分違っています。去年から参加させていただいているアンサンブルですが、邦楽器と古楽器による現代曲ということで諸々バランスが難しいところなのですが、作曲家、アンサンブル共に少しずつこの変わった編成に慣れて対策が取れてきている感じ。

アンサンブル室町による「エドガー・ヴァレーズと室伏鴻に捧ぐ墓」
2015年12月22日(火)開場18:30 開演19:00、23日(祝・水)開場13:00 開演13:30
会場:北沢タウンホール https://kitazawatownhall.jp/
チケット:全席自由 一般4,000円/学生2,500円
助成:芸術文化振興基金/朝日新聞文化財団
後援:在日フランス大使館
詳しくはアンサンブル室町のページhttp://www.ensemblemuromachi.or.jp/#!varese/c3fc
若しくはフェイスブックのイベントページhttps://www.facebook.com/events/913329645424663/
をご覧ください。

アンサンブル室町によるセルパン紹介の動画
https://youtu.be/xlww5wSbjj4

レビュー:ピエール・リボさんのセルパン

IMG_1487まさに来週来日するピエール・リボさんですが、半年前に個人的に発注した新しいセルパンも完成してナイスなタイミングで送られてきました。今回はテンションも高まって購入一日目のレビューをお届けします。

航空便での個人輸入ですのでどういう形で送られてくるかと思っていましたが、思いのほかごつい木箱が。
IMG_1489中は発泡スチロールとエアキャップでこのように梱包されています(このケース、空輸には必須だが保管するかどうかで非常に迷っている)。
IMG_1490ソフトケース。
IMG_1491開けるとこのような感じ。クルークは今回440Hzと415Hzの二種類を注文しました。
IMG_1492ジャーン。木の材質は楓、そして(色々悩んだのですが)今回はBナチュラルキー、C#キー、F#キーを付けてもらいました。この写真では上からF#キー、C#キーの二つが見えてます。
IMG_1496新旧揃って(上が新しいほう)。遠近的に見えるかもしれませんが、古いほうに比べて新しいほうは若干小さいですね。ベルから見てみると厚さもリボさんのモデルの方が凄く薄いです。
IMG_1499本体裏にあるBナチュラルキー。今回の3つのキーは全てクローズド・キーです(押さえると穴が開く)。因みに嬉しすぎて次の日まで正しいフィンガリングに気が付かず「????」だったが、判ってみるとやはりとても吹きやすい。
IMG_1500F#キー。
IMG_1501C#キー。今まで吹いていたポジションだと押さえるのに若干コツが必要な感じ。この2つは予想以上の便利さ。この2つの音は音域と音量によって「どうにもならない」時がしばしばあるのだが、しっかりと安定している。
というわけで現在浮かれまくっているわけですが、実際に吹いてみるとやはり本来のセルパンは「音程を自分でしっかり作って演奏する」ことがとても大事である点は相変わらず。というかそれが上手くいっているときに上のキーがとても使い出がある、という印象です。一日ごとになじんでいく感じの落差が今の金管楽器ともだいぶ違う感触で、暫く「慣らし運転」の日々が続きます。

11/14 第2回セルパン体験ワークショップ

第二回セルパン体験ワークショップ
楽器製作家ピエール・リボさんを迎えて

2015年1114日(土)15時(14時半開場)
スタジオ1619
〒176-0002 練馬区桜台1-27-1
tel:03-3948-1619
西武池袋線「江古田」(徒歩6分)または西武有楽町線「新桜台」(徒歩1分)

聴講料:1,000円

すでにフェイスブックやツイッターでお知らせしていますが、第二回セルパン体験ワークショップはベルギーの楽器製作家ピエール・リボ Pierre Riboさんをお迎えします。リボさんは日本はもとより海外でも数少ないセルパンの製作家で、彼の製作した楽器は多くのセルパン奏者から高い評価を得ています。今回は資料を交えてセルパンの歴史と、特にその製法について詳しくお話しいただきます。もちろん彼の製作した楽器(セルパン・デグリース)もお試しいただけます。3つのキーがついたセルパンを日本で演奏できる機会は恐らく最初ではないかと思います。この楽器の興味のある皆さん、そして楽器製作に興味のある皆さんにオススメします!

お問い合わせ:
コンタクトフォームで承っています。
フェイスブックでのイベントページはこちら

8/6 ダグラス・ヨーさんのコンサート

8月6日、今年20周年を迎える、浜松市楽器博物館でのダグラス・ヨーさんのコンサート「あなたの知らない金管古楽器の世界」を聴きに行ってきました。セルパン系統の楽器の音は吹いたり、聞いたりしたことは勿論あるのですが、ビュッサンやショルダーサクソルン、6バルブ7ベルトロンボーンなどを実際に耳に出来て(しかも、超一流の奏者で!!)実に幸せでした。日帰りでしたが、勿論鰻も堪能。

アカデミーコンサートが6日におわりました。ふだんは博物館で眠っている楽器たちが、無理やり?起こされて、活躍した頃の音を出してくれました。博物館開館時からヨーさんと温めてきた企画が、20年目にやっと実現しました。アカデミー関係者の皆様、ヨーさん、そして楽器たち、ありがとうございました。(7ベルの楽器と細い竜ベルトロンボーンは現代のレプリカです)

Posted by 浜松市楽器博物館 on 2015年8月8日

セルパン購入事情2015

時折セルパンの購入方法について尋ねられることがあるので、一度まとめてみます。
まずセルパンを手に入れる場合、オリジナルとコピーのどちらかという選択肢があります。オリジナルと言うのは19世紀当時に使用されていたもので、海外の古楽器商や、時折ネットオークションで出てくることがあります。セルパンは16世紀終わりくらいから使われている楽器ですが、オリジナルとして出てくる楽器はほぼ19世紀のものです。一時期はよく見かけたのですが、最近は少しずつ減ってきている模様。材質が木ですので、状態によってはリストアに手間と費用が(とても)かかる場合があります。
一方コピーと言うのは楽器博物館に所蔵されているような楽器からサイズを測って、現在の工房で同じ製法で再現したもの。セルパンを制作していると思われる工房は以下の幾つかのものが見られます。思われる、というのはネット上で注文が可能な状態にあるということで、実際には問い合わせが必要です。価格もネット上に掲載されているものを参考にしていますので、これに諸手数料や税金がかかることをご承知ください。また、ネット注文の場合当然ながら試奏をすることが出来ないというデメリットもあります。日本円表示は2015年7月のものです。

クリストファー・モンク Christopher Monk Instruments
イギリスの老舗。テナーからアナコンダ(凄くでっかい奴)までカタログに載っています。メインのモデルは2560ポンド(およそ50万円)。古くからあるメーカーで、一時期はここのコピーか、さもなければオリジナルという状況でした。(追記)日本ではギタルラ社が輸入取扱しています。サイトのコルネットのページの下段にサーペント(バスC)とあり、価格は2016年1月現在で¥516,000 (本体価格)+税となっています。

ダヴィッド・ハーディング David Harding
イギリス。レジン製のコピー。The Early Music Shop (EMS)という、ネット上の古楽器販売サイトから注文が可能。1250ポンド(およそ25万円)と木製のものに比べてややお手軽な値段。

ステファン・ベルジェ Stephan Berger
スイスの新進のメーカー。木製のものとカーボンのものを扱っている。木製のものが 5500スイスフラン(およそ72万円)、カーボンのものが2400スイスフラン(31万円) 。セルパンの管の中の湿度を調整する乾燥機など、アクセサリーも充実。

ピエール・リボ Pierre Ribo
ベルギーの新進メーカー。最近はベルジェとリボのユーザーが多いように思う。木製のものを扱っている。サイトには製品の情報はあまりないが、コンタクトを取るとカタログをメールで送ってくれる。現在ネロ楽器さんで試奏が出来るのはここのモデル(追記:2015年11月で試奏は終了しました)。

カイザー・サーペント The Kaiser Serpents
アメリカ。ファイバーグラスのセルパンを制作している。本体価格830ドル(凡そ10万円)と既存のコピーの中で破格の安さ。しかしながらサイトの情報によると、最近は制作のペースが鈍化している模様。

ご質問はコンタクトからどうぞ。